目次
メルセデス・ベンツのレブリミッターとフューエルポンプリレーの仕組み
メルセデス・ベンツ専門修理工場、サカモトエンジニアリングです。 今回は、W124シリーズをはじめとするモデルに備わっている「レブリミッター」と、意外と知られていない「空ぶかし時の回転数制限」について解説します。
エンジンを守る「レブリミッター」の仕組み
W124シリーズなどのエンジンには、過回転(オーバーレブ)によるエンジンの破損を防ぐため、「レブリミッター」が備わっています。
低いギアでアクセルを全開にしても、レッドゾーンの手前で適切に制御がかかるようになっています(※ただし、走行中のシフトダウンによる強制的なオーバーレブは除きます)。
この時代のメルセデス(主にCIS-EやKジェトロニック搭載車)は、現在のコンピューター制御ほど複雑ではありません。回転数の信号をフューエルポンプリレーが拾っており、一定の回転数に達すると、燃料ポンプを止めることでそれ以上回転が上がらないように制御しています。
部品番号ごとに設定されたリレーの回転数
フューエルポンプリレーには、パーツ番号の下に「6650」や「6550」といった数字が記載されていることがあります。これが燃料をカットする指定回転数です。
-
6気筒エンジン(M103など): 6550回転前後
-
V8エンジン(5.6Lなど): 5500回転前後(排気量やシリンダー数に合わせて低めに設定)
見た目が同じリレーでも、車種やエンジンの仕様(日本仕様、並行輸入車、ハイカムの有無など)によって設定回転数が異なります。そのため、修理や交換の際は、必ずその車両に適合した部品番号のものを装着することが重要です。
ニュートラル時に4000回転までしか上がらない理由
後期のDOHCモデルなどでは、走行中ではなく「無負荷状態(パーキングやニュートラル)」でアクセルを全開にしても、4000回転までしか上がらない仕組みになっています。
これはトルクコンバーター(ATミッションの部品)を保護するための機能です。 停車中の空ぶかしで高い回転数を維持し続けると、トルクコンバーター内のオイルが急激に熱を持ち、ミッションに悪影響を及ぼす可能性があります。これを防ぐため、あえて4000回転で制御をかけて「お守り」をしているのです。
まとめ
メルセデス・ベンツの設計には、あらゆるシーンでエンジンやミッションを保護するための工夫が凝らされています。愛車を長く元気に走らせるためにも、こうした制御の仕組みを知っておくと安心ですね。
サカモトエンジニアリングでは、皆様からの疑問・質問をお待ちしております。気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
