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メルセデスベンツの足回りを徹底解説!タイロッド、ロアアーム、サブフレームの役割とは?
メルセデス・ベンツ専門修理工場「サカモトエンジニアリング」がお届けする、皆様の疑問にお答えする番組です。今回は、普段なかなか見ることのできない車の下回り(足回り)に焦点を当て、各部品の名称や役割、そして車を長持ちさせるためのポイントを坂本社長が詳しく解説します。
足回りの主要パーツと役割
今回は「R107」というクラシックなモデルを例に説明しますが、最新のモデルであっても基本的な構造や機能に大きな違いはありません。
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タイロッドとセンターロッド(ドラックリンク) ハンドルを切った際、その動きをタイヤに伝えるためのリンク機構です。左右に1本ずつあるのがタイロッド、それらを中央でつなぐのがセンターロッド(別名:ドラックリンク)です。
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ステアリングダンパー(ステアリングショック) 走行中に路面から受ける衝撃やタイヤの振れを抑える役割をしています。これが劣化すると、悪路や段差でハンドルに不快なブレが生じます。
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ピロージョイント(ボールジョイント) 各リンクの接続部にある関節のような部品です。ここにガタ(隙間)が出ると、ハンドルの遊びが大きくなったり、直進安定性が損なわれたりします。
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ロアアーム(Aアーム) タイヤを支える重要なアームです。接続部のボールジョイントが劣化すると、走行中の異音やふらつきの原因となります。
ボディーを支える「サブフレーム」と「マウント」
足回りの部品は「サブフレーム(アクスルメンバー)」という枠組みに取り付けられ、それがボディーに固定されています。
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マウントの重要性 サブフレームは4か所のゴム製マウントを介してボディーに固定されています。特に後側のマウントには、直進性を出すための荷重(キャスター角などの影響)が大きくかかるため、前側に比べて劣化しやすい傾向があります。
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交換のポイント マウントを固定するボルトは非常に長く、走行中の振動で疲労が溜まりやすいパーツです。そのため、修理の際はゴムのブッシュだけでなく、ボルト類がセットになったキットでの同時交換をおすすめしています。交換後は、車のシャキッとした乗り心地が蘇ります。
駆動系とマフラー
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プロペラシャフト エンジンの動力を後輪のデフギアに伝えるシャフトです。長いパーツであるため、中央に「センターベアリング」を備えた2分割構造になっています。接続部にはゴムジョイントが使われており、急激な負荷にさらされる箇所でもあります。
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マフラー(消音機) リアマフラーには高性能なサイレンサーが内蔵されており、排気音の約90%をこの部分で消音しています。
ベンツを長持ちさせる「優しい運転」のコツ
メルセデス・ベンツの足回りや駆動系には、至る所に「ゴム」が使われています。これにより、ベンツ特有のしなやかな乗り心地が実現されていますが、一方で急激な負荷には注意が必要です。
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スタートは「そーっと」 停止状態からいきなりアクセルを全開にするような「スタートダッシュ」はサブフレームのマウントやプロペラシャフトのゴムジョイントを一気に痛めてしまいます。
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スムーズな加速 発進して20〜30km/hくらいまでは優しく加速し、そこからトルクをかけていくのがベンツ乗りの常識とも言えます。急ブレーキや急旋回も避け、ゴムパーツに優しい運転を心がけることが愛車を長く良い状態に保つ秘訣です。
