
メルセデス・ベンツの旧車に最高峰の輝きを
今回は、多くのお客様からリクエストをいただいておりました、塗装ブランド「スタンドックス(STANDOX)」について詳しくお話しいたします。
「なぜ、スタンドックスでなければダメなのか?」 その理由と、私たちが塗装に込める並々ならぬこだわりを紐解いていきます。
1970年代以前の「旧車」にスタンドックスが必要な理由
昨今、サカモトエンジニアリングには50年代〜70年代の「縦目」や「ハネベン」といった、博物館クラスの貴重なクラシック・メルセデスをお乗りの方が大変多くいらっしゃいます。
年数を経たお車は、どうしても表面の塗装にひび割れが起きたり、艶が引けてしまったり、過去に部分塗装した場所との境目がはっきり浮き出てしまったりするものです。そうしたお車のオールペイント(全塗装)や部分塗装のご依頼をいただく機会が、ここ最近非常に増えています。
現代の水性塗料も非常に進化していますが、70年代当時のメルセデスは「油性塗料」が使われていました。国産の最新塗料も非常に優れてはいるものの、当時の新車を何百台と目にしてきた私たちの頭には、「俺の知っているメルセデス・ベンツの質感や色の深み」が鮮明に焼き付いています。ただの白であっても、当時のメルセデス特有の独特な世界観があるのです。
以前、70年代のお車のオールペイントを国産塗料で試みた際、どうしても当時の質感に決まらず非常に苦労した経験がありました。しかし、当時の純正塗料でもあるスタンドックスを使用すると、一発でその独特な質感と深みが決まるのです。
職人のプライドがぶつかり合う、妥協なき塗装工程
スタンドックスは、ヨーロッパの数々の高級車メーカーがベンチマークにしている世界最高峰の塗料です。しかし、ただ吹き付ければ良いというものではなく、管理方法から非常に厳格な基準があり、乾燥も遅く、その時の湿度などによって扱いが大きく左右される非常に難しい塗料としても知られています。そのため、一般的な塗装職人さんからは嫌がられることもあるほどです。
それでも私たちがスタンドックスにこだわるのは、「お客様に心から満足し、優越感を持って気持ちよく乗っていただきたい」という、ただその一つの想いがあるからです。
塗装にかかる費用は決して安くありません。ボンネット1枚で数十万円、オールペイントともなれば数百万円という、お客様にとっても人生をかけた大きなご決断になります。だからこそ、私たちが納得いかない状態でお客様にお渡しするわけにはいきません。
たとえボンネット1枚の塗装であっても、私が塗装屋さんの工場へ4回も5回も、時には休日でも足を運び、仕上がりが気に入らなければ何度も塗り直してもらうこともあります。塗装屋さんからは「またうるさい親父が来たな」と思われているかもしれませんが(笑)、それほど1台1台に命を懸けています。
平面に塗っても、どこか独特の「丸み」や「セクシーさ」を醸し出すのがスタンドックスの魔法です。これが、70年代メルセデスの美しいボディラインにピタッと美しくハマるのです。
小さなパーツにも、ボディーと同じ「本気の仕込み」を
このこだわりは、お車のボディ塗装だけにとどまりません。 現在、サカモトエンジニアリングで販売している「ホイールキャップ」などのアクセサリー類の塗装にも、全く同じ情熱を注いでいます。
先日もお客様から「自分の乗っている縦目メルセデスと同じ色にホイールキャップを塗ってほしい」というオーダーをいただきました。こちらももちろんスタンドックスを使用し、ボディと全く同じように下地処理(サフェーサー)からやり直し、最後はクリア塗装で仕上げるという「本当に手間の掛かる職人仕込み」で仕上げました。
お客様から「期待値以上の仕上がり」と大変喜んでいただけた時は、本当に嬉しかったです。私たちの熱意に応え、高いプライドを持って付き合ってくれる優秀な塗装職人さんがいてくれるからこそ、このクオリティが実現できています。
