フューエルポンプ

インタンク式燃料ポンプの盲点と中古車リスク
インタンク式燃料ポンプの盲点と中古車リスク 1

燃料ポンプの現状と点検の重要性

フューエルポンプ~電気で動く

98年から2000年以降の燃料ポンプ(フューエルポンプ)は昔のと形式が
変わってきて、 燃料の圧力プラス消費電流を測らないと今のポンプの
能力を見ることが出来ません。

燃料の圧力が出ていれば、エンジンが掛かっています。

ところが、そのポンプはどのくらいの能力を持っているのかというのは
消費電流を計測しないと分からなのです。
どれだけ体力を残しているのかというような感じです。
燃料ポンプ(フューエルポンプ)は電気で動いています。

これもサカモトエンジニアリング内に展示してあるので、見て頂くと理解が深まると思います。

疲れてくれば電流も落ちてきますし、そうすると疲労度合いが
分かってくるので、 それを事前に見ておいてあげないといけません。

通常の規定値がもちろんあります。基準値です。
そこから外れ始めてきた場合は、もうそろそろ燃料ポンプは取り替えなければなりません。
今、ベンツの場合、約5万キロ過ぎるとすべてのものは壊れます。
2000年以降のベンツは特にです。

エンジンへの影響と中古車購入時の注意点

本来、壊れたらいけないエンジンでさえも壊れ始めてきます。
それが良い証拠に、一例としてカーボンが溜まってくると
エンジンのチェックランプが点灯してしまいます。

そうすると大変な出費が掛かってきます。

特に中古車で5万キロ過ぎた車を買った時は
少し手入れが必要なのかなっていうのは、最近つくづく感じます。
我々のお店でそういう風に感じますから
ディーラーさんは、もうとっくにそれについては理解して
整備してるはずです。

車検出しました、整備出しましたという時には
そのくらいの案内は欲しいものです。
「もうそろそろこのエンジンは、この辺がダメだと思うから
修理をしたほうが良いのではないでしょうか」と。

アドバイザーの人というのは、これまで長年車のアドバイスをしていますが
アドバイザー自身に興味があれば、そこまで思うでしょうが
興味がなければ、そういったアドバイスというのは得られないんじゃないでしょうか?

興味のあるなしに関わらず、単一車種に関わっているのですから
意識を持たないとダメだと思います。

まったく職種が違うわけではありません。
車業界でベンツ専用でお客様からお金をいただいて、商売させてもらっているのですから。

それに準じて昔でしたら5万・6万キロで燃料ポンプがダメになるなんていうことは、有り得ませんでした。

126や124とかと今該当してるものは、結局、構造が違うのでしょうか?
最近は5万キロ過ぎたら燃料ポンプがダメになってきます。
それも著しくダメになります。極端です。

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旧型との構造の違いとインタンク式の特性

今の車は燃料ポンプが燃料タンクの中に入っています。
それをインタンクと言います。
昔は外付きで、ポンプが外にありましたが
今は燃料タンクの中に、ドボッとガソリンの中に浸かっています。

だから燃料臭いのです。
火花がバチバチ飛んでいて危ないです。

空気がなければ、火は付きません。
燃料タンクの中は空気と燃料が混ざっていますが
ガソリンの中には空気がないので火は付きません。

ガソリンの中ではバチバチやってますが
でも酸素がないので火が付かないという話であって
見たことはないですが、電気の火花は青く飛んでいます。

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インタンク式の問題点と自動車部品の品質低下

インタンクのタイプというのは、良くないのでしょうか?
インタンクの中に入るタイプがダメだという訳ではなくて
品質が悪くなったという事です。著しく品質が落ちてきています。

ですので、本来はもっと寿命が長いはずのものが
複雑な構造に作っているにも関わらず、構造の方に技術力が進んでいっており
肝心かなめの方の品質基準が落ちていってしまっています。

さみしい事です。
車は物凄い進化しているのですが、それに品質基準が追い付いていっていません。

ですので「ダメになったら替えればいいんじゃないの」という感じです。
車は良い車です。しかし個々の部品がダメで、それなりの作りになっています。

一時のイタリア車やアメリカ車みたいなものです。
イタリア車はデザインは良いし内装は良いし
ただそれに付いている補器類が追い付いていませんでした。
例えば、メーカーでいうとその時代のルーカスとかです。

時代と警鐘、ユーザーへの注意喚起

時代なのでしょうが、そういったものに警鐘を鳴らしてるのではないでしょうか。
旧車の時代はタンクの外にポンプが出ていたので、以前は異音が出ていました。
表にあるので、ポンプがダメになってくると異音を発してくれたりしていました。

ところが今はタンクの中にあるので、音が聞こえません。
ましてや座席の下なのでタンクは密閉されたところに入っている状態です。

ベンツを専用でやっていないところが見落としてしまうのは、仕方がない事です。
しかし、エンジンにしてもフューエルポンプにしても、傾向的にこういうのが日常化しています。

ですのでまずは、問題意識として一台一台チェックしてあげないといけません。
急にエンジンが故障してしまって、車が動かなくなれば最悪です。
クルマというのは動いてなんぼなのだからです。

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ランニング時間の重要性と中古車購入のリスク

ユーザーはどういった所に気を付けないといけないのでしょうか?
自分が乗っている走行距離でしょうか?重要なのは、ランニング時間です。

距離もそうですが、車が走っていなくてもエンジンさえ掛かっていれば
ポンプは回っているわけなので、何時間回したかが重要です。

では走行距離は関係ないのでしょうか?
本来は、エンジンも一緒で走行距離ではなくて、動いてるランニング時間が重要です。

近所にお使いでチョロチョロ乗っていても、一緒です。
「よく走るからエンジン調子良いんだ」という人でも言ってることは同じだということです。

例えば1日10キロしか走らなかった人がいるとします。
年間での走行距離はいくらでもないです。
ところが、その10キロ走るのに1時間かかったとします。
そうすると1時間×1年分になるわけです。
距離は伸びなくても運転している時間というのは、ものすごく長くなります。

今後の対策と安心のための対価

走行距離と燃料ポンプの寿命

使い方が重要という事です。
ですのでここの展示にあるように
「ポンプが6万キロでダメになっちゃいました」という場合と
「10万キロでダメになっちゃいました」という場合の違いが何かというと
ランニング時間が違うからだと思います。

おそらく6万キロの方と10万キロの方とで比べた場合
エンジンが回っている時間はそんなに変わらないんだと思います。

それなのに内部がこんなに削れてしまうのです。
顕著にダメになってしまいます。

大体、日本の道路状況で6万キロというのは、よく表していると考えられます。
ですので新車で購入して、3年4年で替える方でしたら
おそらく6万キロも走らないので救われているという事です。

ところがセカンドユーザーというのは、 そこから買うわけです。
ということは、買った時にすでに燃料ポンプはダメになっているという事です。
先ほどから話してる様に、このままですとエンジンも壊れてしまう可能性があるという事です。

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中古車購入時の注意点とメンテナンスの重要性

そうです。まずは既に、それを理解してから買ってほしいと思います。
ですので数値が上がってそこから外れていれば、燃料ポンプを取り替えてあげたり
6万キロ走ったエンジンは、それなりの対処をしてやらないといけません。
残った手垢は残り続けますので、カーボンを取り除く方法をやはり考えていくですとか
やっぱりリフレッシュをしていかないといけません。

メルセデス・ベンツにおける安心とメンテナンス

ですので、オイル交換を全部きっちりするなりなんなりしないと
「ベンツは安心して乗れる」なんていうのは、今の時代には通用しません。
丈夫だという事とは、もう時代が変わっています。
つまり、安心を買うならそれなりの対価を払わないといけません。

そうしないと、その気持ちに見合った安心は得られないということです。
ちなみに、社長のオススメの年式はやはり、98年までです。

理由はなぜかというとやはり、アナログで出来ているからです。
配線も太いですし、車の何もかもにお金が掛かっています。
とても贅沢に作られています。
内装もそうですが、車自身もしっかり出来ています。

その年式を過ぎているメルセデスベンツをお持ちのユーザーの方は
一度リフレッシュメントにご来店いただくことをお勧めします。

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社長後記

毎回の話になりますが、98年くらいまでは自分の使い勝手でコントロール出来ましたが
それ以降はメルセデスに自分を合わせて乗らせていただく様に変化しています。
まったく厄介な代物になってしまいました。

エンジンも1ケの部品として考える時代になってきたのでしょうか。
いつか日本のようにエンジンのリビルト品が現れる時代が近い将来、来るのかもしれません。