ホイールアライメント

日本仕様に最適化するホイールアライメント調整
日本仕様に最適化するホイールアライメント調整 1

サスペンションのヘタリとアライメントのずれ

ホイールアライメントとは
クルマのそれぞれの各構成部品の角度を称して
「ホイールアライメント」といいます。
常に対比、左右前後の対比です。

簡単に言うと、三角形、いかに三角形を組み合わせて角度を求めていくかです。
三角形の相対と言えばいいのでしょうか。
いくつも三角形を組み合わせて角度を決めていきます。
最終的にホイールの角度を決めていくことになります。

日本における輸入車の宿命 – 右側通行用設計の影響

なぜアライメントをとらなければならない状況ができるのでしょうか。

まず、走ることによってサスペンションのヘタリから始まります。
「通常事故をしていなければ」これが前提です。

まず、サスペンションのヘタリです。
ヘタることにより、その三角形がくずれてしまうわけです。
新車当時はびしっと決まっていたものが、ヘタることにより
ゆがみが出て、幅も変われば、クルマの高さも変わります。

そのために、補正してあげなくてはなりません。
最近のモデルはわかりませんが
90年代頃までは日本の道路向けのモデルというのは輸入されていなくて
イギリスやオーストラリア向け以外は
全て左側通行用に販売されていたのです。
日本に入ってきたのは左ハンドルです。

左ハンドルというのは、少なくとも日本の道路仕様ではなく
右側通行用のクルマを左側通行させてるという事です。

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右側通行用ということは
右側に流れないように左へ向かってクルマが走っています。
右側の路肩が落ちているので。

それを相殺して真っ直ぐ走らせているので
クルマは左へ行こう、左へ行こうとしているわけです。

ところがそれを左側通行へもってきてしまうと
ただでさえ左側へ走ろうとしているクルマを
左側の路肩が落ちている左側通行の道路で
走るのですから、どうなるかお分かりだと思います。
さらに、左に流れてしまいます。

ですので、無意識に常に右側、右側へハンドルを切ります。
ハンドルを放すと車体が左へ流れてしまいますので。

ということは、左側のタイヤは常に右側を向いていることが想像できると思います。
右のタイヤも右へ向くのですが、左側は道路が左へ落ちているから
左側のタイヤはさらに右へ向こうとしています。
それで、相殺してまっすぐ走っているのです。

そのような状況で使用しているために
左フロントタイヤの外側がすぐに減ってしまうというのがわかります。

なぜ、ベンツは左前タイヤの外側が減ってしまうのかというと
アライメントが狂っているからです。

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メーカー基準値の限界と日本仕様への再調整の必要性

カーショップやディーラーでアライメントをとるケースがあると思います。
しかし、ディーラーでもそうですが
メーカーの言ってきているホイルアライメントのデーターで
アライメントを取っても右側通行用のデーターなので
左側通行用のクルマにそのまま取ったのでは
残念ながらクルマは真っ直ぐ走ってはくれません。

そのためにサカモトエンジニアリングでは
まずメーカーデーターでアライメントを調整してから
再度調整し直します。どのような調整かは秘密です。
日本使用にオリジナルでアライメント調整します。

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ですからいくらアライメントのデーターをショップで取っても
左流れ、左フロントタイヤの減りというのは直らないのです。
でも、まっすぐ走らせなくてはならないという無理難題があります。

どのクルマもサスペンションがヘタってきているわけで
他をいくらいじっても、もうどうにもならないのです。

それは、それとしてヘタったなりの基本データーに基づいた
味付け調整が必要になってきます。

 

ホイールアライメント調整は足回り修理の第一歩

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足回りリフレッシュメントの重要性とアライメント調整の意義

各サスペンションが年式や走行距離でヘタってきているならば
サスペンション周りを全て交換してあげればいいように思われます。
とてもシンプルです。
本来であれば、足回りパーツのリフレッシュメントが必要です。これは大前提です。

けれども、アライメントの基本データーに味付けをして
ある程度、走行に異常が支障が出ない範囲で
調整ができるのであれば、これもひとつの技(方法)だと思います。

どうやってもデーターに味付けをしても
狙っている(希望の)走行状態が得られないときに初めて
サスペンションの修理をしてあげればいいのではないかなと
私は考えています。

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まずはアライメントから – 高額なサスペンション修理の前に

サスペンションと一口に言っても
ショックアブソーバーやコイルスプリング、ブッシュ類エンド周りもそうですし
タイロッド関係、ボールジョイントもありますし
言い出したらキリがないです。

しかも前後左右にこの部品を使っています。
つまり大変高額になってしまいます。

そして、このサスペンション関連のパーツによる
各個体オリジナルの調和(バランス)も忘れてはなりません。

ですから、まずはホイールアライメントからアプローチする意味が
お分かりいただけるかと思います。

また、こういう各パーツ調和(バランス)のこともあるので
現在の状況原因を突き止めて
それを理解し、そして再調整することでクルマはまっすぐ走るでしょう。
全てのクルマが同じヘタリ方をしているわけではないのです。

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アライメント調整の奥深さとユーザーのニーズ

過去にホイールアライメントを測定、調整しました。
タイヤが片減りします、真っ直ぐ走りませんは
基本データーに調整しているのであれば間違いではありません。
しかし、それ以上を望むのであれば求めなくてはなりません。

ですから、アナタが街乗り重視なのか
高速道路を軽快に走りたいのか、はたまた山道などのコーナーを
きちんと曲がれるようにしたいのか。

それによってアライメントのデーターはまるっきり変わってきます。
そして、それをどこで良しとするかも重要ですね。

一口にアライメント、ウン万円といいますが
あれはもの凄く奥が深いのです。

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