【メンテナンスの基礎知識】愛車の発する「作動音」と「異常音(異音)」の見分け方

【一問一答】道路の継ぎ目で音がする

【一問一答】S124 300TE 4MATICのフロント足回りからの異音について

メルセデスベンツ専門修理工場、サカモトエンジニアリングがお届けする「一問一答」のコーナーです。 全国のメルセデスベンツオーナー様から寄せられた疑問や質問に、当店のスタッフが分かりやすくお答えしていきます。

今回は、初めてベンツを所有されたオーナー様からいただいた、足回りの異音に関するお悩みをご紹介します。

動画はコチラからご覧いただけます

オーナー様からのお便り

【ご質問】 所有している「S124 300TE 4MATIC(右ハンドル)」の走行距離が間もなく10万キロを迎えます。 最近、段差を越えたり道路の継ぎ目を通過したりする際に、フロントの足回りから「コト」「コン」といった音がするようになりました。

先日下回りを覗いてみたところ、スタビライザーのエンドブッシュのカバー(ブーツ)が破れており、若干のガタつきがあるのを発見しました。やはり異音の原因はこれでしょうか? 初めてのベンツなので大切に乗りたいと思っています。アドバイスをお願いします。

サカモトエンジニアリングからの回答・解説

S124の300TE 4MATIC、非常に素敵なお車ですね。大切に乗られているとのこと、私共もうれしく思います。

お便りの内容から、フロント側での異音について詳しく解説させていただきます。

4MATIC特有の足回り構造と異音の原因について

結論から申し上げますと、ご指摘の「スタビライザーのエンドブッシュ(ロッドのブーツ)の破れとガタつき」は、異音の原因である可能性が十分に考えられます。

4MATIC(4輪駆動モデル)は、通常のW124(2輪駆動モデル)とはフロントの足回り構造が大きく異なります。フロント側にドライブシャフトが通っているため、これを逃がすためにコイルスプリングやスタビライザーの取り付け方法が特殊な仕様になっています。

通常のモデルはロアコントロールアームに直にブッシュで固定されていますが、4MATICではロッド(リンク)を介して取り付けられています。このロッドのブーツが破れて中のグリスが漏れ出してしまうと、金属同士にガタが生じ、段差などで「コトコト」「ゴトゴト」といった異常音(異音)を発生させる原因になります。これは近年の高年式の車両でも非常によく見られる定番のトラブルです。

「作動音」と「異常音(異音)」の違い

車は多くの可動パーツで構成されているため、段差を乗り越えた際などにショックアブソーバーが縮む「作動音」は物理的に必ず発生します。

しかし、今回のようにブッシュ類が劣化して衝撃を吸収しきれなくなり、ガタつきによって発生する「コト」「コン」といった音は「異常音(異音)」にあたります。これらは放置するとパーツの重大な破損に繋がるだけでなく、保安基準(重要保安部品)に関わる部分でもあるため、ブーツの破れやガタがある状態では車検を更新することができません。 安全かつ法令を遵守して乗り続けるためにも、早期の部品交換が必要です。

確実な原因特定と修理のための「近道」

お車の状態を正確に把握するためには、最終的には実際に現車を確認させていただく必要があります。 特に「音」にまつわる修理は再現性が重要です。工場に持ち込んだタイミングで「音が鳴らない」というケースも珍しくありません。

そのため、もし当店へ点検・ご相談にお越しいただく際は、以下のような「音が出る条件やシチュエーション」を事前に詳しく教えていただけますと、早期の原因特定(しっぽを掴むこと)に繋がります。

  • 温度環境: 朝イチなどの冷え切っている時(冷間時)に出るのか、1時間ほど走って温まった時(温間時)に出るのか

  • シチュエーション: 自宅を出て最初の角を曲がった時、特定のマンホールを乗り越えた時など

  • 天候: 晴れの日だけか、雨の日か(※雨の日は水が潤滑油の代わりになり、音が消えてしまうことがあります)

大切な愛車に長く安心してお乗りいただけるよう、まずは一度お下回りを含めてしっかりと点検させていただければと思います。気になる症状がございましたら、どうぞお気軽にサカモトエンジニアリングまでご相談ください!