【社長の部屋】メルセデスベンツのショックアブソーバー

愛車との対話が生んだ、究極のショックアブソーバー
「なぬ!曲がらない!」愛車との対話が生んだ、究極のショックアブソーバー1

予期せぬアンダーステア体験と原因究明への着手

以前は、自分の思い描いたライン取り(カーブを曲がる)をするには
ギアを一速、または二速分落として
常に後ろのタイヤにトラクションを掛けながら
アクセルコントロール(曲がっている時に少しずつアクセルを踏み
アンダーステアにならないようにする)を行っていた。

朝早く中央高速道に入るために、相模湖インターを目指して走っていると
相模湖湖畔沿いに右コーナーから左コーナーになる言わば、高速S字のカーブがある。

そこは、約1Kmくらいの直線を法定速度全開のフルスロットル(気持ちの中では)で走り
S字カーブ手前で一気に2速まで落とし、フルブレーキ(気持ちの中では)で減速をしながら
ハーフスロットルで曲がり抜けられる、とても気持ちの良いコーナー。

ところが、そんなある日のこと。その日もいつもの調子でコーナーに差し掛かり
減速をして曲がった途端「なぬ!!!」曲がってくれないではないか!

思いっきり、外側へふわっと膨らんでいく。いわゆる、アンダーステアだ!!
突然の予期せぬ出来事ゆえ、頭の中は瞬間パニック状態。

そのまま、次の左カーブに入る手前でフルブレーキ。
やっと曲がれる速度まで落として無事終了。
隣りでかみさんは「ばっかじゃないの」と一言。

その事件以来、頭の中は明けても暮れても
その悔しさばかり、さっそく原因究明に入った。
(もちろんお仕事はちゃんとしています)

何せ我が戦闘機、いや愛車ですから
いつも私の思った通り動いてくれないとストレスが溜まってくる。
日々そのために色々な面で、試行錯誤しながら改善している(つぎ込んでいる)。

愛車との対話が生んだ、究極のショックアブソーバー 2

ショックアブソーバーの劣化と交換、そして新たな課題

先日、富士スピードウェイにおいてコースを走る機会があり
2回目の走行会の時に我が戦闘機に乗ったロボ太郎君が、いつも通りコーナーに進入した時
スピンしてしまったと聞いていたのを思い出した。

その時は、進入速度が速かったのかライン取りを間違えたのかと思ってたが
今考えれば、その頃からショックアブソーバーが
少しあまくなってきていたのだと思う。

車を上から押し付けてもそれほどのフワつき感も感じられず
少し硬いくらいだった。

それならばと、「アイバッハのスプリング」を疑い
各ブッシュ類もやれはじめていたのでO/Hついでに
点検を行おうと外していくと何と、アブソーバーに粘りがまるでない。

押し込むときはかなり硬いけれども、上に伸びようとする時に
手を離すと勝手にピューっと上がってきてしまう。

通常市販のスポーツショックでもジワーっとある程度の
粘りを持ちながら上がってくるのに、それが全くないのだ。

そのため、右カーブを曲がっている時に、車の左側は踏ん張って沈まないが
右側が持ち上がってしまうという状態が極端に起こっていたのだ。

結果、オットットットという状態になったのだと思う。
確かに最近乗り心地がよくなってきたなぁーと思ったり
月に何度か、伊豆方面にツーリングを兼ねて早朝から出かける機会が多いので
その都度コーナーに差し掛かると
何か、年のせいか「へたくそ」になってきたのかなーと感じるくらい
車のコントロールがしにくくなっていた。

「そろそろ大人しく乗らなくてはいけない年齢なのか」と思い
最近はもっぱら126の560で用を済ませていたくらいだ。

予算の都合もあり、とりあえず「モンロー」の何とか仕様の、スペシャルモデル?を付けてみた。
通常走るにはこんなものかなーと思うくらいの出来である。

さっそく伊豆へロードテスト、小田厚はまずまずのフィーリングだ。
中の上に入るくらいの乗り心地だ。

その後フルブレーキ後のコーナーリング、2速全開!!「なぬ?」
トラクションが全くかからない。いきなり別物になりフワフワだ。

数日後、みなさんご存知のビルシュタインの黄色いショックを手に入れ
早速取り付け、ついでにサスペンションのブッシュの交換も済ませておいた。

小田厚(高速道路)は地面にタイヤが張り付いているくらい。
以前より少し、若向きの硬さを感じる。

毎回同じコースを走っているが、やはり硬い割りには踏ん張りがない。
万人に合わせる、平均的なレベルなのだろう。

硬いだけでは、安定して車は走らない。
なぜかというと、街乗りもしなくてはいけないからだ。
乗り心地も重視しなければならないところに、難しさがある。

愛車との対話が生んだ、究極のショックアブソーバー 3

理想のショックアブソーバーを求めて

「はて?」と考えるに
ショックアブソーバーを作るしか方法が無くなった。
早速、自分の考える理想と症状を伝えた試作品が出来上がってきた。

いざ、出陣!

後ろのショックが座に近いせいか、少し硬い。その割りにフロントがあまい。
再度、発注直し(マニアックな注文を、嫌がらずに何度もやってくれる為、非常に甘えやすい)
試行錯誤で3ヶ月を費やし、やっとベストマッチングになった。

待ち乗りでは、全般的に硬目になった。
これは、私の記憶にあるメルセデスベンツの新車の硬さと同等だ。
走行フィールはとても気に入っている。

もし、走行時に違和感を感じているのならば相談してほしい。