「水温計が120度!?」「突然ガリガリ音で不動に…」W123ディーゼルとW210の深刻なトラブルをベンツ専門店が徹底解説!

水温120度超え!ATから音がして動かない!

【一問一答】皆様から寄せられたメルセデスベンツの疑問・質問にお答えします!

この番組は、皆様から日頃寄せられるベンツに関する疑問や質問に、我々がプロの目線でお答えしていく一問一答コーナーです。

本日も皆様からいただいた大切なお便りをご紹介していきます。よろしくお願いいたします!

動画はコチラからご覧いただけます

◆ お便り1:W123 300TDT(1982年式ディーゼル)の水温異常とアイドリングの激しい振動

【ご相談内容】 今年の1月から乗っています。冬の間は水温がやっと40度になるくらいで全然上がらなかったのですが、夏になってエアコンを使い始めると、水温が異常に上がるようになってしまいました。 高速道路の長い上り坂では120度を超える勢いで上がってしまいますが、その後、下り坂でアクセルを緩めると80度を下回ることもあります。 ラジエーター、ファンカップリング、サーモスタットは一通り交換しましたが症状は変わりません。ヘッドガスケットが抜けてしまっているのでしょうか? また、アイドリング時の振動が激しく、まるであんま機(マッサージ器)のようです。

サカモトエンジニアリングからの回答

今回の症状は「水温の異常」と「激しい振動」という、全く別々の原因からくる2つの問題を抱えている可能性が高いです。

水温の異常について(メーター・電気系統の疑い)

冬場に40度までしか上がらない(通常は80〜85度の作動温度まで上がるはず)のもおかしいですし、夏場に120度まで振り切ってしまうのも、因果関係が逆で通常ではあり得ない動きをしています。もし本当に120度まで上がっていれば、すでにオーバーヒートしてエンジンが完全に壊れてしまっているはずです。 ラジエーターやサーモスタットなどの主要な冷却パーツを交換しても直らない点も含めると、原因はエンジン本体(ヘッドガスケットの抜けなど)ではなく、水温メーターや水温センサーといった「電気的・計器類のトラブル」である可能性が極めて高いと考えられます。まずは実際にセンサー部分の温度を計測(実測)し、メーターが正しい数値を指しているか確認することからスタートするのが最善です。

アイドリング時の激しい振動について

まるであんま機のようにガタガタと車体が揺れる原因は、おそらく「エンジンマウントの劣化(潰れや断裂)」です。 走行距離を重ねて限界を迎えたマウントは、目視でもはっきりと潰れているのが分かります。ここまで激しい振動が出ている場合は、早急な点検と交換をおすすめいたします。

◆ お便り2:W210 E420ワゴン(1997年式)突然の異音とギアシフト不能トラブル

【ご相談内容】 会社からの帰宅途中、突然「ガリガリガリ」という異音とともにギアが変わらなくなり、スピードが出なくなってしまいました。 何とか帰宅はできたものの、現在はニュートラルに入れても車が押せず、バックに入れても進まない状態になってしまいました。近くの修理工場では断られてしまい、購入したお店でも突き放されてしまい困っています。購入してまだ半年ほどなので、なんとか直したいです。

サカモトエンジニアリングからの回答

突然の異音と不動のトラブル、非常にショックな状態とお察しいたします。状況から見て、原因はオートマチックトランスミッション(ミッション本体)の内部故障で間違いありません。

なぜ突然「ガリガリガリ」と音がして動かなくなったのか?

これがもし電気的な故障(バルブボディなどのトラブル)であれば、ベンツには「緊急モード(エマージェンシーモード)」というセーフティ機能が働き、1速や2速に固定された状態で何とか自走できるよう作動します。 しかし、異音と共にニュートラルでも車が動かない(スタックしている)状態を考えると、電気系ではなくミッション内部のギアが噛み込んだまま焼き付いてしまっている可能性があります。

原因として考えられること(オイル漏れの見落とし)

この年代の電子制御ミッション(722.6型等)は、カプラー部分からミッションオイルが漏れる弱点(ウィークポイント)があります。さらに、この車にはミッションオイルの量を確認するための「レベルゲージ」が元々備わっておらず、オイル減少の警告灯もありません。 大きなアンダーカバーに遮られて床にオイルが垂れてこないため、気づかないうちにオイルが減り、潤滑不良を起こして内部が焼き付いてしまった(とどめを刺してしまった)のかもしれません。

サカモトエンジニアリングがATF(ミッションオイル)の定期交換を勧める理由

ミッションも消耗する機械ですので、内部で削れた鉄粉やクラッチのカスなどの不純物が必ず出ます。当店ではこれらを取り除くため、2万キロごとのATF・フィルター交換を推奨しています。「オイル交換をするとミッションが壊れる」という噂もありますが、それはすでに不具合を抱えている車両に新しいオイルを入れることで、内部の汚れが洗浄されて症状が顕著に出てしまうためです。 当店では、専用の測定ツール(レベルゲージ)を用いて事前にテスター診断を行い、状態を見極めてから安全に作業を行っています。