W124の水温上昇と冷却水吹き出し原因およびオーバーヒートへの対処法

【一問一答】まさかのこれは、エンジンオーバーヒート?

【一問一答】W124 E230の水温上昇と冷却水漏れについてのご質問

メルセデスベンツ専門修理工場、サカモトエンジニアリングです。 今回の記事では、YouTubeでお送りしている「一問一答コーナー」の中から、オーナー様よりいただいたW124の冷却系に関するトラブルのご質問と、当店のメカニックによる見解をご紹介いたします。

動画はコチラからご覧いただけます

お寄せいただいたご質問

車種:W124 E230

水温が120度程度を上回ると冷却ファンが正常に作動して水温は下がるのですが、最近冷却水の減りが早いことに気づきました。改めて観察したところ、ファンが回る温度になると、新品に交換したばかりのリザーブタンクのオーバーフローホースから冷却水が吹き出してしまっていることが分かりました。

担当の整備士からは「エンジンヘッドを外してガスケットを交換し、面研磨の整備が必要」と言われましたが、これほど大掛かりな整備が必要なのでしょうか?また、現在は冷却水を補充しながら毎日乗っていますが、動かさない方が良いでしょうか?

サカモトエンジニアリングからの回答と見解

結論から申し上げますと、「これ以上は乗らずに、すぐに動かすのをやめてください」というのが我々スタッフ一同の切実なお願いです。非常に危険な状態であり、このまま乗り続けるとエンジンそのものを完全にダメにしてしまう恐れがあります。

症状を分析すると、以下のような原因や問題点が考えられます。

すでにオーバーヒート状態に陥っている

水温が120度近くまで上がらないとファンが回らないとのことですが、これは完全に温度が上がりすぎています(やかんが沸騰して吹きこぼれているのと同じ状態です)。 本来であれば、120度に達する前の段階(通常、内側のファンは90度付近、外側の電動ファンは110度付近)でファンが作動し、水温をコントロールしなければなりません。

原因として疑われるポイント

大掛かりなヘッドの整備(面研磨など)を疑う前に、まずは以下のような冷却まわりの基本パーツが正常に機能しているかを確認する必要があります。

  • ファンスイッチおよびコントロール系の不具合: ファンが適切な温度で回っていない原因の特定。

  • ラジエーターキャップの弁の不良、または規格違い: キャップには圧力をコントロールする役割(100や140などの設定)がありますが、ここから圧力が逃げて吹きこぼれている可能性があります。

  • サーモスタットの作動不良: 弁が正常に開かず、冷却水が正しく循環していない可能性があります。

メーターの針の見え方は角度によって120度付近に見えることもありますが、いずれにせよ日常的に冷却水が吹き出している状態での走行は「絶対にNG」です。

今後のアドバイス

ご自身の大切な愛車をこれ以上傷めないためにも、冷却水を補充しながら自走することは避け、積載車を利用して信頼できる専門店へ速やかに搬送することを強くお勧めいたします。

当店でも、水温が上がりすぎる前に早期にファンを作動させるような対策や、確実な原因究明の点検を行っております。手遅れになってエンジンが壊れてしまう前に、ぜひお気軽にご相談ください。