車検だけじゃない!エアクリーナー定期交換のすすめ
目次
エアクリーナー周辺の環境変化と高精度制御の必要性
エンジン本体の高性能化、大気汚染の清掃化等により
昔のキャブレター時代から考えると、比にならないほど
目に見えるエアクリーナーの汚れも少なくなってきています。
しかし、排気ガス等による汚染を少なくするためには
高度なコントロールが当然必要になってきます。
エアクリーナーと重要部品の関係性
一例を挙げると、エアクリーナーの後側には
精密に組み上げたエンジン本体があります。
その間には、エアーマスセンサーという
大変やっかいな部品が居座っています。
それに、万が一、傷を付けてしまうと
エンジン等のコンディションが非常に悪くなってしまいます。
そして、大きい出費にもなります。(ここが重要)
エアクリーナーの構造と清掃時の注意点
周辺の重要部品と取り扱い
使い古したエアークリーナーには
沢山の目に見えない汚れが付着しています。
エアクリーナーを外すと、表面に付いているゴミが下(吸われる側)に落ちてしまいます。
エアクリーナーケース内部は、エアクリーナーエレメントを境にして、2部屋に分かれています。
入口から外気の汚れた空気を吸い込み、エアークリーナーで綺麗になった空気が
エアーマスセンサーを通り、エンジン側へ吸われていきます。
それを外すと、エアクリーナーの表面に付いていたゴミも、エンジン側に落ちてしまいます。
構造と適切なメンテナンスの重要性
エアークリーナーを掃除する時は
ケース内部も全部綺麗に掃除しないと意味がなくなってしまいます。
やたらにエアクリーナーを掃除(交換)すると
エンジンを掛けた時に、ケース内のゴミが吸われてしまいます。
掃除によって、今まで付いていたゴミ等が剥がれ落ちる可能性が大です。
「開けました、換えました、閉めました。」によって済ませることの出来ないシビアな部分ですので
エアクリーナーは出来れば、汚れる前に
少なくとも、2年に1度の車検時には交換したい部品の一つに挙げられます。
エアクリーナー未交換によるエンジントラブルのリスク
初期症状と進行
エアクリーナーをずーっと交換しないとどうなるのでしょうか。
エンジンオイルがなくなって、エンジンが掛からなくなります。
先ず、エンジンの掛かりが悪くなります。
気が付かないで、そのまま高速道路などを走行してしまうと
空気を吸い込むことができないので
エンジンが吹けなくなってくる(パワーダウン)のが、分かるでしょう。
クランクシールや、その付近からです。
エアクリーナーが汚れているが為に空気が吸えなくなり、吸うものが無くなるわけです。
そうなると、エンジンオイルはすぐに無くなります。瞬間です。
深刻なエンジントラブルと最終的な破損
ピストンは一生懸命、空気を吸おうとしているわけです。
そして、高速道路を走行しているので
アクセルを踏んでいるからエンジン自身は、回そう、回そうとしています。
こうなったら、いわばエンジン内部は酸欠状態です。
そして、エンジンは吸うものがなくなってくるので
シールからエンジンオイルを吸出しはじめます。
エンジンオイルを吸出したらどうなるかというと
ブローバイが逆流して、ピストン内部でオイルが燃えてしまいます。
とても危険な状態です。
エンジンから「カリカリカリカリ」という音がし始め
空気を吸い込むことができないエンジン内部で、他のところから吸い込みはじめます。
白い煙と共に、エンジンが焼きつき、The End!!
過去の事例とエアクリーナー交換の重要性
過去に、1台だけそのケースの車両のお世話をしたことがあります。
「高速道路でエンジンがおかしくなった」と聞いて、引き上げに行った時のことです。
マフラーの中がエンジンオイルでびっしょりになっていて
マフラーからエンジンオイルが滴っていました。おかしいな?と思いました。
エンジンオイルを確認すると、入っていませんでした。
「何よ、この状態は!」びっくりしました。
そして、色々調べた結果「エアクリーナーの詰り」が原因だったのです。
たった、エアクリーナーを交換しなかった為に、エンジンがパーになってしまったのです。
メーカー推奨では30000Kmで交換。
本来は、エアコンのダストフィルターが詰まったら
同じ空気を吸っているわけですから、エアクリーナーも交換します。
工業地区エリアでお乗りの場合は、もっと交換時期が短くなります。
人間は、いがらっぽいなー煙たいなーで
1回くしゅんと、くしゃみをすれば済むかもしれませんが
エンジンは1回くしゃみをしたら終わってしまうので気を付けて下さい。