ベンツ旧車と燃料沸騰 フューエルクーラーの重要性
フューエルクーラーの必要性
なぜフューエルクーラーが必要かというと
燃料がガソリンタンク内でパーコレーションするからです。
沸騰するということです。
沸騰するとインジェクションノズルから
ガソリンと空気が泡立って一緒に排出されます。
それによって燃料の絶対量が必然的に減るために
チカラがなくなります。
場合によっては、空気が入った燃料を吸い込んで
最悪の場合エンジンが止まってしまいます。
また、燃料によって潤滑冷却しているポンプにも
負担がかかってしまうため、寿命も短くなります。
歴史的背景
それを防ぐためにエンジンに関して
116モデルも123モデル107モデルからベンツ社が
純正のフューエルクーラーをついにつけてきました。
新車販売当初の話です。
並行車にはフューエルクーラーがついていないために
諸々の悪影響が起きてしまいます。
エンジンにチカラがなくなってみたりブレてみたり
場合によっては止まってしまいます。
日本仕様車への特別な対応
フューエルクーラーはジャパンバージョンだけが当時
特別にオプションでつけてもらったものです。
70年代初期に燃料がみんな沸騰してしまいました。
ですので、エンコ(エンジン停止)してしまったのが続出しました。
それをメーカーに伝えたところ
では日本のだけにこういうのを作って対応するって言って
「フューエルクーラー」っていう部品を一式送ってきました。
当時ですので116モデル。
そして、メーカーは製造を打ち切りました。
何台販売したのかというのはメーカーはわかっているので
それにあった個数を出荷して、製造を打ち切ったのです。
ヨーロッパ仕様のメルセデスベンツを日本の輸入業者が買ってくるわけですので
並行日本仕様以外のメルセデスベンツを手に入れた人には
残念ながらフューエルクーラーはついていません。
フューエルクーラーの効果
夏限定のことです。
そのために4月くらいから10月くらいまでの間
クルマもヒトもクーラーを必要としています。
クルマは燃料の冷却装置です。
それを取り付けたことによって
外気温が18度から20度くらいの時に
タンク内の燃料の温度はすでに67度です。水温が80度です。
それで、フューエルクーラーを通って
戻ってきたタンク内の燃料の温度が46度。
20度フューエルクーラーで下げられます。それ以上燃料の温度が上がるので
フューエルクーラーによって夏場の渋滞が安心です。
製造終了
ヨーロッパはそこまで外気温が上がりません。
夏場でも20度ちょいちょいですし
よっぽどでなければ渋滞しません。
しかし、日本でも走っているぶんにはいいです。
とくに、高速道路を走っているぶんには、全く問題はありません。
街中の渋滞ですとか、帰省の渋滞
都内の渋滞にはまった時に燃料が沸騰してしまいます。
残念なことに今日、部品の供給はありません。