パワステオイルの役割とメンテナンス
パワステオイルの役割と劣化
パワステオイルっていうのはテンプラ油と一緒のようなもので
熱の影響が凄いです。それこそミッションオイルの比じゃないくらいに。
どうしてかというと、日本はすえぎりを必要以上にするからです。あとは路地を曲がります。
その為に発熱温度が凄いです。
まず、パワステオイルはオイルの量が少ないので、劣化も早い訳です。
オイルクーラーっていうのがついているのですが
ハイウェイを走ってなんぼの世界でしか能力を果たせない程度のものなので
日本では無いに等しいと思ってもらって間違いないです。
ということは、直進していてもパワステオイルの温度は上がりますよってことになります。
ハンドルは絶えずどっちかにきるので。
パワステオイルの劣化原因
つまりは絶えず油圧がパワステにかかっているということです。
修正するたびに油圧が無意識にかかってしまいます。
オイルクーラーはそれくらいしか冷やす能力がないってことです。
ですのでオイルの温度はドンドンドンドン上昇していってしまい
オイルが焼けてしまいます。そして変質します。
そのままのオイルで使用していくと
パワステのギアボックスやポンプなどは精密な部品が組み込まれているので
その辺に削りカスやスラッジなどが入り込んでしまうことになります。
ということは、知らない間にそういった精密部品が
汚れカスの大量に入ったオイルのせいで
サンドペーパーで擦ったのと同じようにキズがドンドンと入っていく訳です。
そうすると、いざ「オイル漏れしました」となっても手後れで、全損になってしまいます。
パワステオイルの交換時期とメンテナンス
そうならない為にも早め早めに
エンジンオイルよりも早めに見てあげないといけないと思います。
パワステオイルも安くないです。そうすると修理代のコストが上がってしまいます。
うちのお客さんはデフオイルやパワステオイルは定期交換をしてくれています。
それだけ気にかけていますし、その時点で理解してくれています。
人によっては「そろそろオイルを交換したほうがいい」と言ってきてくれます。
たしかに、エンジンオイルも必要ですしミッションオイルも必要です。
すべてのオイルは目的があって使っているので
どれが一番とは言えませんが
パワステオイルにいたっては、透明でなくなった時点で交換しないといけないです。
もともとパワステオイルは無着色の透き通ったオイルですので。
エンジンオイルみたいに燃焼して、ブローバイガスが出てっていうものであれば
汚れていってもしょうがないと思います。
パワステオイル劣化の症状
本来、爆発も燃焼していないのだから、それが黒くなるはずがありません。
デフオイルも同じことです。
黒くなるということは
ベアリングが削られてそのカスが廻っていますよってことです。
物が削れてオイルの色が黒ずんでいく
あとは熱で変化して茶褐色になってきてしまう。
それは全てのオイルにいえることなのですが
外的要素が無いので黒くなる訳が無いのです。
パワステオイル交換の費用
ですのでベアリングの磨耗とオイルの劣化がその理由になります。
パワステオイルを全量交換しても工賃が5000円でオイルが4000円です。
場合によりプラスフィルター代です。
それかそのまま無理して交換せずに乗ってしまい
40万円、60万円のお金を捨てるかです。
ギアボックスやるってなったら15万円くらいしますので。
それだってうちだからギアボックスをばらして
バリを取ってっていう作業を自社でしているから
15万円くらいで済むけれど、分解、修理の知識のない工場だったら
容赦なくユニット交換になります。
それにポンプやりましょう、ホースやりましょうってなったら
その金額は計り知れないです。
でもね、そうなってしまったのは何かっていうと
自己管理が悪いからってなってしまうのです。
それかもしくは、入庫している修理工場の知識がうんと低いってことになります。
その物、その物の機能っていうのを理解していないで整備しているから
最終的にはお客さまに負担がかかってしまうのです。