サカモトエンジニアリングで展示中のクーラーコンプレッサー、展示までの経緯
現在、サカモトエンジニアリング内で展示している、
クーラーコンプレッサーの展示までの経緯をお聞かせください。

クーラーってさ、スイッチを入れれば冷えるもんだと思ってるわけじゃん、

通常。

うんうん、思っていますね。

だから、そういうものがどういうものかも分からないし、
皆ねコンプレッサーが付いてるから、ある程度は分かるよね。
要はこれは、エアコンでいう「室外機」だから、
もちろん見たことも無いし、ただ箱が冷やしてるだけの話。

 

スイッチ入れれば冷えるもんだと思ってるし、
それがどんなものかも構造も分からないから、
「こんなもんだよ」というのを普段見ることができない、
場合によっては修理屋でも見たことないわな。
アッセンブリー(ASSY)で替えちゃうから。

中身をバラしてまでは見ないっていうこと?

そう、中の構造までは。頭では理解していても、
実際「じゃあどうなってんの」ってなると、現物を見ることも無いだろうし。
ということは、お客様がコンプレッサーの中身を見るというのは

不可能なんだよ。

「交換しておきました」っていう説明になりますものね。
そう。だから、どこがダメだったの?って言われても、
コンプレッサーがダメでしたって言うしかないよね。
そう、そうなりますよね。

そうすると、100パーセント理解は出来ないけれども、 こういった展示で、

「中身はこういうものが付いていて冷やしているんだな」

ということが多少なりとも頭の中で描ければ、

例えば夏にクーラーを入れてカチャってコンプレッサーが

ONになった時に、 「あぁ、あれが動いてるんだな」という

一種想像っていうか楽しみっていうか、 自分の頭の中に描けるじゃん。
ここの展示物は、もう古いから、旧体のかっこうしてるけれども、
この後ロータリー式に変わって、 結局はもう古いんでこれはピストンが

2コだけども、ロータリーになって6気筒になって。

この展示は2気筒?

そう2気筒。

その後、 スワッシュプレートていう進化されて、
今のコンプレッサーは切れないんですよ。

オフにならない。
ロータリータイプまでは室内の温度が冷えてくると、
コンプレッサーはマグネットで自動的に切れたわけ。
ところが今のコンプレッサーはまわりっぱなしなのよ。
常にまわりっぱなし。
何か意味があるんですかね?

先ずは、電気的なロスをなくすため。
あと、クーラー入れるとトルクが落ちちゃう。
それも防ぐために、今スワッシュプレートというのを使って内部で

コントロールしてるんだな。
これがクランクピストン、遠心力で制御させてる温度によって

自動的にガス圧を制御させてる。

この2気筒のタイプは。
冷えてくれば自動的に止めちゃうカチンと切っちゃう。
まぁ、作動を止めちゃうってことだよな。
ところが今のコンプレッサーは作動を止めないんですよ。
常にまわりっぱなしなの。
クーラーを入れれば、どんな時でもコンプレッサーはまわり続けてる。
ということは、何か別で制御させてる箇所がいるってこと?
そう。コンプレッサーの中にスワッシュプレートっていうのがいて、
ガスが圧力を常に変化させてるわけ。
例えば、冷えてきました、クーラーが必要なくなってきた。
冷やす必要がなくなってくると中で自動で制御させちゃってる。
お利口さんですね。
だから、そういう時に昔のやつはカチャンと切れて、
カチャンとマグネットが外れてコンプレッサーを止めたり、
コンプレッサーをカチャンして入れたりオンオフを繰り返してたんだけど、
今のやつはそういうことをしないよね。
常にオンで制御してる。

ガス圧をコンプレッサーの中で制御させてる。
それもコンピューター絡みでやるから、やっぱり故障は多いよな。
コンプレッサーも壊れない代わりに補器類が壊れちゃう、

常に電気流してるから。

そういうのが無いのが、このシンプルな今展示してるもの。
そうそう。

中にクーラーのガスが入って圧縮して。

エンジンとまるっきり一緒よね、吸入して圧縮して出してっていう。吸入圧縮を繰り返してるんで。

じゃあ、そういう形でこれはお客様に現物を見てもらえるための

展示なんですね。

そうだね。
しばらく展示をしておりますので、ぜひご覧いただければと思います。
ありがとうございました。