あえて「124」を選んだあなたは、かなりこだわりがあるようにお見受けします。
そして、誇り高きメルセデスを維持しているというプライドもお持ちになっていると思い
ます。
ガツンとしたボディ剛性やチャレンジング精神をかきたてる圧倒的なパワー。
それ以外にも124にさまざまな魅力を感じて手にいれたことでしょう。
124に乗ってタラタラ走っている人をみたことがありません。
いつもスマートに、シャキシャキとキレの良い走りをしているように思います。
しかし、124は他のモデルに比べて、ブッシュ類のヘタリや磨耗が早いのが特徴。
たとえば、プロペラシャフトのディスクジョイントは、
低速から高速へと回り続けるもの凄いトルクをシャフトやデフに伝えている。
毎回、ドライブするたびに悲鳴が聞こえそう。だから傷みも早い。
エンジンマウントも、あんなにボリュームたっぷりのエンジンをマウント3点で支えて
耐えている。それでも重みに耐えられず、次第にペチャンコざぶとんになる。
ロアコンブッシュにしても同じような重さを支えている。
それに比べ、スプリングなどは耐圧補強してあるが、
ブッシュ類は悲しいことに特別補強がしてある部品ではない。
ブッシュ類にかかるパワー荷重はエンジンやタイヤの力を直接受け止めていますから、
とても大きいと考えてください。
124は、乗りっぱなしは不可能なとてもデリケートな車なのです。
124は燃焼効率を高める為に他の車に比べ、温度設定が高めにして3種類もあります。
燃焼温度が上がれば、燃費も良くなります。
たとえばあなたのメルセデスが魔法の力を持っていて、
絶対にオーバーヒートしないのであれば、水温は100℃で走るのがベターでしょう。
しかし、悲しいかな過去に手間をかけて貰えなかったメルセデス。
実際の温度計を見るとどうでしょう。
水温ゲージがみるみるアッパーへと高くなってくるから不安でいてもたってもいられな
い。
ギョッとするような大渋滞に巻き込まれたらそれはとっても心臓によろしくないドライ
ブ。
メルセデスもドキドキ、僕もドキドキ。
せっかくのドライブを中断して、路肩へ止めてボンネットを開ける作業が待っています。
残念なことですが、メルセデスはやはり、日本の設定で作られていないというのが現状で
す。
純正ラジエターはアルミ製である為に熱伝導があまりよくない。
車両重量の軽量化には貢献してくれますが、
渋滞などで風の当たりが少ない時に水温が上昇する欠点がある。
ただでさえエンジンルームが狭くて通気性が悪いのに、熱が発散しづらい。
「水温上がるなっ」と願っても、急に温度は下がりません。なんて皮肉なことでしょう。
メルセデスを快適に乗っていくにあたり、クーリングキャパシティーの大きい
真鍮製3層ラジエターを装着するのが理想です。日本の風土にあったすばらしい対策品だ
と思います。
熱効率が良く、耐久性もすぐれています。
一度装着すれば通常の管理をしていれば10年くらいは頑張ります。
では、真鍮製のラジエターを装着していない場合はどうでしょう。
純正ラジエターもクーラントも新品、クーリングラインも特殊溶剤でクリーニングしてあ
れば、
真夏の炎天下であろうと、信じられないほどの大渋滞であろうとも
あなたとメルセデスは快適クルージングをすることが可能でしょう。
さて、オール新品組のあなたに質問。
クーリングパッセンジャーを全て新品にすることは可能でしょうか。
エンジンを分解しウォータージャケットを全て掃除するところまで面倒がみれるでしょう
か。
問題は、あなたの手に渡る前の段階でどうであったかということなのです。
水の管理がどんなに良くても、LLC(ロングライフクーラント)は1年しかもちません。
それ以上になれば、性能がガクッと落ちます。
そして、LLCが古くなるとクーリングラインに水垢がたまる。
水垢は管の細い箇所へ細い箇所へと蓄積し、しまいには細く通りの悪い管に栓をして
冷却効果を著しく低下させてゆくのです。
(現在オーバーヒート気味でLLCを交換することで改善する場合もまれにあります。)
同じ124でも操る車によってその乗り心地は千差万別、というコトを覚えておきましょう。
あなたが操っている同じメルセデスに乗っている人が、
同じように快適だとは限らない。哀しい現実。
お客様に安全なドライブをしていただくこと。
それはワタシたちの使命であります。
それ以上に、気持ちよい満足感をお届けすること。
これこそがワタシたちの大切な使命と確信しております。
異常を感じたら、お店の人に臆せず聞く。
それもなるべく早い段階で相談してみるように心がけてください。
日本仕様のメルセデスが、まるで本国を旅しているかのような、期待以上のドライブ。
世界最高峰のメルセデスが教えてくれることでしょう。
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